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今回は、混合することで起こる負担の増加を考えてみましょう。
犬のワクチンは、最近では7~9種もの混合を同時接種という方法が主流である。猫では3~5種。が、一度にそれら全部の抗体を作ることは実際に可能なのだろうか。 9種類の病原体に対して、9つの免疫機能が待機してるわけではないのだ。 免疫機能はあくまで個体に1つしか備わっていなくて、それが全身のあらゆる防御を受け持ち、正常を保とうとしている。9種類の処理をしつつ、本来の仕事も同時にせよとは、たいへんな酷使である。 まず、ワクチンを単体で打った場合でさえ、身体は100%抗体を作れるわけではない。最近、犬の輸出入に関わった方はピンとくるだろう。狂犬病のような単体接種ですら、抗体検査をして、確実に抗体ができてるかどうか確認しないと検疫係留の免除が下りない。 行政にはワクチンの不確実さはわかっているということである。獣医師にもわかっている。ワクチンを打てば必ず抗体ができて安心と思っているのは飼い主だけだ。 ワクチンという薬品には使用上注意がある。健康な個体にだけ接種すること、と。 血管に直接病原体を入れるという乱暴な方法で病気に擬似感染させ、抗体を作らせるという方法論である以上、本来の仕事をする余地が奪われて、結局は全体の免疫力が低下し、病気に感染するリスクが高まるからである。 時折、ワクチンを打って直ぐに、ワクチンに含まれていた病気に感染してしまう個体が出るのは、ワクチンの負荷が強すぎて、免疫力が低下させられることが大きな原因だ。 そして、これを○種類同時に、というのが混合ワクチンである。 9種類もの伝染病に一度にまとめて感染することなど、自然にはあり得ない。擬似感染であれば、お医者さんが大丈夫だと云えば、一飼い主である私たちは、「大丈夫」だと思っていいのだろうか? 特に幼い犬猫に対しては。 ヒト科コドモ(笑)をお持ちの方にはよく解っていただけると思うが、乳幼児というのは頻繁に体調を崩すものだ。大人には何でもないちょっとした気温の変化、食事に含まれていた何か、保育園のクラスメートの風邪。すぐに影響を受ける。いわゆる「小さな子供は抵抗力が弱い」状態ですね。 熱が出るのは身体が変化と闘っているから、下痢をするのは害になる物質が口から入ったから。それは免疫機能が、この世に生まれ出た時にはまだ完全ではなく、そうして色んな「ちょっとした」要因の影響を受けては熱を出し、おなかを壊ししながら、環境への適応を学習して行く過程である。 つまり免疫機能というものは、生まれながらに、血管に病原体を注入されて「待ってました、どんと来い!」と抗体を作れるように完成されているわけではない。 そんな未熟なおさなごにも、いきなり9種類もの抗体を同時に作れと私たちは要求する。そもそも可能なのか? 可能じゃないから、子犬には2回も3回も接種するわけで。 安全か、可能かなど、問題ではないのである。 ペットにワクチンを打つ人間側の都合にとっては。 本来、ワクチンは1種類ずつ、最低1週間は期間を開けて打つのが、一番抗体生成の確率が高い打ち方である。免疫系の負担も小さい。 9種の抗体を得るためには、短くとも毎週1回、9週続けて通院しなければならないが、愛犬の健康のためなら何でもないことのはずだ。だよね? なぜ私たちは、不確実な「多種のワクチンの混合同時接種」なんて方法に同意したのでしょう? だが、百歩譲って、ワクチンを打ったのに抗体がつくれなくても、いい。いいんである。そもそもの免疫機能が正常なら、感染病とまっとうに戦える筈だから。 問題は、ワクチンの病原体がその後どうなるかなのだ。 次回は「病原体のユクエ」にドッキドキ~!
by aislaby
| 2005-10-21 21:15
| 犬猫ワクチン
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